ノイズ
ガブリ。





可奈はありったけの力を込めて死人の腕に噛み付いた。







「ぎゃっ!」







思わぬ反撃に驚いたのか、沙織の動きが止まった。







ダラリと下がった腕から血が少し垂れる。







可奈は素早く起き上がると、沙織からなるべく離れた場所に逃げた。







今度は沙織の体と重なったあの少女の姿がしっかりと見えた。







「どうして沙織に取り憑いたの?沙織が死のサイトを見たから?」







「そうだよ。見なければ死ななくて良かったのに」






沙織の声じゃない。








ゾッとするような冷たい声が沙織の口から出るなんて。







「おまえ…危険。おまえを殺してから沙織も殺す」

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