ノイズ
放課後の悪夢
あれは忘れもしない小学校5年生の秋だった。


可奈のクラスでどういう訳か「こっくりさん」が流行った。


「こっくりさん」は言わずと知れた交霊術の一種であり、呼び出されるのは狐の霊だと言われている。


「はい、いいえ、鳥居、男、女、五十音表」を書いた紙を用意し、その紙の上に十円硬貨を置いて参加者全員が人差し指を添える。


「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」と全員で呼びかけ「こっくりさん」が来ると十円硬貨が動きだす。


後は質問したいことを「こっくりさん」に尋ねると、十円硬貨が動いて質問に答えてくれるというしくみだ。


「こっくりさん」はどんな占いよりも正確で。


どんな質問にも答えてくれる。


クラスの女子のほとんどが「こっくりさん」に夢中になった。
< 60 / 309 >

この作品をシェア

pagetop