ノイズ
ある日の放課後。


「可奈ちゃん、こっくりさんやろうよ」



「あたし、こっくりさん嫌だな。だって怖いもん」



霊が見える可奈にとって「こっくりさん」のような交霊術をやることは、苦痛以外の何物でもない。


怖いからといつも断っていたのだが、今日に限って、一番仲良しの裕美に誘われてしまった。


「こっくりさん」をやるメンバーは全部で4人。


裕美(ユミ)可奈(カナ)春香(ハルカ)真理(マリ)。


みんな同じクラスの仲良しグループ。


机の上に「はい、いいえ、男、女、鳥居、五十音表」を書いてある紙を広げる。


真理が用意した十円硬貨を紙の上に置くと、全員が人差し指を添えた。


「それじゃあ、みんな始めるよ」



お互いに顔を見合わせ、全員で声を揃えて唱和する。


「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」
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