ノイズ
「じゃあ、今日はこれでおしまいにしようよ」



「まだ、聞きたいことあるんだけどなー」



「可奈ちゃんが、具合悪いんだからダメだよ」



「具合悪いんなら仕方ないよね」



春香と真理は「こっくりさん」に未練たっぷりのようだったが、ようやく諦めてくれた。


「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください」



始めた時と同じように全員で唱和する。


やっとお家に帰れる…


可奈は安堵するように小さく息を吐いた。



あれ?


十円硬貨の上の人差し指が、一本多いのは気のせいだろうか。


可奈は恐る恐る顔を上げた。
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