ノイズ
頭の上に黒くて柔らかくて、何かフサフサした物がゆっくりと降りてきた。


これは何?


可奈は右手を伸ばして、恐る恐る‘それ’に触ってみた。


‘それ’は人間の髪の毛だった。


黒くて長い髪の毛が、可奈の顔に覆いかぶさってくる。


「…ひっ!」



長い黒髪がゆっくり、ゆっくりと下に降りてくる。


黒髪の先に血の気のない青白い顔が見えた。


女の子は、憎悪に満ちた眼差しで可奈を睨みつけていた。
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