ノイズ
バスルームから出たばかりの文也は、冷蔵庫から牛乳パックを取り出した。


紀子が傍にいるので怒るだろうな、とは思ったが、面倒くさいのでそのままラッパ飲みをする。


「文也、ちゃんとコップに開けて飲みなさい!」



「いいじゃん別に。俺たちしかいないんだし」



「そういう問題じゃないでしょ!だいたい、あんたはいつもいつも」



「へぃへぃ、ショコラをケージの中に入れるんだろ?連れてくるからさ、少々お待ちくださいませ奥様」



右手を胸に当て、執事のように大仰にお辞儀をしてみせる。


「ふみやっ!」



これ以上軽口を叩くとクッションが飛んできそうなので、早々に二階に避難することにした。
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