ノイズ
ショコラが可奈のベッドを占領し、丸くなって眠っていた。


可奈はというと、ベッドにもたれ掛かってしどけない格好で寝ている。


「…ったく、なんちゅう格好で寝てんだよ」



文也はため息をつくと、まずショコラをベッドから降ろし、ピンク色の花柄模様の布団を捲って可奈を持ち上げた。


衝撃を与えないよう、なるべく静かにベッドに寝かせる。


疲れたんだろうな……


文也は顔を近づけると、自分の唇をそっと可奈の唇に重ねた。


文也はずっと前から、可奈のことが好きだった。


あらゆるものから可奈を守ってやりたい。


いつもそう思っていた。
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