メガネ男子は俺様王子さま

た、確かにこの服は着た覚えがありますけど…




そこには明るい色の緩やかな巻き髪に目元をくっきり際立たせた娘が、柔らかく笑っていました。


毎日鏡を見ている私でもこれが自分とは思えません。安斎さんの冗談でしょうか?




「確かにずいぶん化けるな…」



唸るように言われて、自分がボーッと写真を眺めていたことに気づきました。



「あの…これ、やっぱり私?」



それでも自信がなくて、一応安斎さんに確認してしまいました。



にやりと片頬で笑った安斎さんは、
「えぇ、正真正銘リチャードが撮った先日の写真です。つまり、写っているのは、あなたです。美羽ちゃん。」






はぁ…。


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