メガネ男子は俺様王子さま
私達を置き去りにして、社長さんと安斎さんに父様は「よかった、よかった。」とすっかり和んでいます。
父様に至っては
「そう言えばさっきの続きですが、性質の違う二種類を混合させた場合…」
また、勝手に話を戻して嬉々として話しています。こうなったらもう娘のことをお願いしに来たという当初の目的は、宇宙の彼方に飛んで行ったことは明白です。
止めたいのは山々ですが、目の前の拓海の不機嫌オーラがオドロオドロしくて、身動きが取れません。
すみませんが、社長さん安斎さんには犠牲になってもらいましょう。……合掌。
それにしてもこの拓海の不機嫌に、私の気分は蛇に睨まれたガマガエルの油売り?
何か違いますね。
あ、メデューサに睨まれて石になっていく気分です。うん、ぴったりですね。
納得して頷いていると
「一人で完結してんじゃねぇよ。」
ボソッと低い声が聞こえました。