メガネ男子は俺様王子さま

ぼやっと部屋の中を見回していると



「カイ、美雨ちゃんのお父さんといつもの喫茶店に移動するから、きちんと二人で話し合ってから来なさい。正直に話さないと美雨ちゃん怯えてるでしょ。」



そう言うとサッと部屋から出て行ってしまいました。無常に閉まるドアに安斎さんを止める暇さえありませんでした。




こんなに不機嫌な拓海と二人きりにしないで下さい。涙目になって未練がましくドアを見ていると、


「おい!」




またまた、低い声が響きました。




ビクッと身を強ばらせ、油切れしたロボットのようにぎこちなく振り向くと、拓海が指で古びた一つきり置いてある椅子を指し示し顎をしゃくるので、私は諦めておとなしく座りました。拓海は机に腰掛けると、


一つ大きく深呼吸してから、「決めたんだな。」



と落ち着いた声で話しかけてきました。
てっきり結果について怒られると思っていた私はポカンとしてしまい、返事をすることが出来ませんでした。


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