メガネ男子は俺様王子さま

目を据わらせた私をホケラッと見てから後ろにいる拓海に視線を巡らし、急に合点がいったようににっこり満面の笑みになり


「内緒話は終わった?」




………はい?




「ちょっと父様。小学生じゃないんですから内緒話って…。」



やましいことは何もないのに、父様の言葉が恥ずかしくてつい赤くなって否定していると、




「だって、二人で僕達に聞かれたくない話をしていたんでしょ?そういうのを内緒話って言うんじゃないの?え?内緒話って小学生だけなの?大人は何て言うの?」




それを聞いていた安斎さんが、くすくす笑いながら


「大人は密談とか会合とかかしら?でもこの二人がしてきたのは内緒話よ。」




ウィンクしてだめ押しをしてくれたお陰で

「ほらね。」



父様は自慢気に胸を反らしています。


後ろでは拓海が



「ちげーよ。ただの話し合いだ。」



ブツブツと何か低く呟いていましたが、よく聞こえませんでした。

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