メガネ男子は俺様王子さま

ぐるぐると考え込み始めてしまった私とは対照的に、写真を渡したリチャードさんはやけにすっきりした顔で



「あいつの事情はよく知らないけど…。ま、なるようにしかならないって。あいつのこと、よろしく頼むな。」




「えぇ?頼まれても、私にはなにがなんだか…」


「あー、いいのいいの。美羽ちゃんは何もしなくても、ただあいつを受け止めてあげられれば…。だけど残念だったなぁ。あいつと美羽ちゃんをもっと撮ってみたかったなぁ…。」



ポツリとこぼれた呟きに、つい
「じゃあまた帰って来たときにでも…」


「だ~め。欲をかくと俺のチャンスの女神様は、なけなしの前髪さえなくしてツルッパゲになっちゃうよ。せっかく掴めそうな夢の欠片だよ?俺は俺の人生で手一杯なの。」



「あ、ご、ごめんなさい。」


私はまた一緒に仕事ができたらという簡単な気持ちで軽く口にしたことを後悔しました。

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