メガネ男子は俺様王子さま

「おっせーよ。二人で何してたんだよ。」



リチャードさん達とリビングに戻ってみると、拓海があまりに不機嫌なので私はびっくりして固まってしまいました。何だかリチャードさんを険しい目で…睨んでます?

なのに睨まれた本人のリチャードさんは余裕の笑顔で

「うん?内緒。」



華麗にウィンクまでしていて、拓海の怒りのボルテージは急上昇です。な、何でここまで怒っているんでしょうか…。


そこで初めて今日が、リチャードさんの送別会だったことを思い出しました。



「あの!ごめんなさい。今日の主役はリチャードさんなのに、私が独占してしまって。本当にすみません!」




この険悪な雰囲気を何とかしたくて、大きな声でみんなに謝り深くお辞儀しました。



その瞬間その場はシーンと静まり返りました。


…みなさん、許してください。みんなリチャードさんの為に集まっていらしたのに、本当に気がきかなくて。
下げた頭のままドキドキしながらみんなの反応を待ちました。




その時…

< 201 / 236 >

この作品をシェア

pagetop