メガネ男子は俺様王子さま

「あ~、そんじゃ俺達お先に。そろそろ時間だし。」


拓海に言われて時計を見るとびっくりするような時間をさしていて、私はあわてて帰り支度をしました。




「リチャードさん、今日はありがとうございました。お体に気をつけて。」



「うん。美羽ちゃんもね。また、機会があったら撮らせてね。」



「はい。是非!」

「じゃあ!またな。日本に帰ってきたら、連絡くれ。」


会話にかぶさるように口を挟む拓海に、よほど急いでいるのかと荷物を抱え込むと、リチャードさんは笑って、

「いやぁ、撮りたい。今までになくお前を撮りたくてウズウズするぞ。」



拓海の肩を叩いて笑っています。


拓海は渋い顔をしてフイッと横を向いてしまいました。

…これでお別れなのに、いいのでしょうか。

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