メガネ男子は俺様王子さま

借りる本を決めて図書室を出ると同時に、



「あ、そうだ。今度の日曜買い物に付き合え。久しぶりに一日フリーなんだ。この作家の新刊が出てるらしいし本屋も行くぞ。朝の9時半にお前んちの駅改札口な。」



彼が急に早口に言ったので、





「え…?」




「遅れんなよ。」




「はい…」



それはお誘いという名の命令なのでしょうか?なぜ男の人の買い物に私が付き合わなければならないのか。なぜあまり本に興味がなかった彼がその作家の新刊を知っているのか。なぜわざわざ住宅街の私の最寄り駅なのか。突っ込みどころ満載ですが、彼は先にどんどん歩いて行ってしまうので反論できませんでした。



「おら、早くしろ!」




週末の掃除は諦めなくてはならないようです。

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