メガネ男子は俺様王子さま
「この業界にいるとね、みんな少しでもいい仕事が欲しくて必死なの。だから、スタジオ見学のチャンスなんてあったら飛びつくような子ばっかり見てるわけ。素人の子でもね、そりゃカイの撮影だし。遠慮なんてされたの久しぶり。」
そういうものでしょうか…。いつも会ってますから別に…。
「それにあなた携帯持ってないでしょ。終わる時間わからないから、ここにいた方が楽よ。一応予定では一日かからないから、大丈夫。その後出かけられるわよ。」
いや、それも別にいいんですけど。
先を歩いていたカイはいつの間にか姿を消していました。私はここにいればいいのでしょうか?キョロキョロとしていると、安斎さんが椅子を持ってきてくれました。
「はい、ここに座ってみててね。多分ここならギリギリカイが見えるから。カイからもね、見えると思うわ。でもウロウロしないでね。みんな仕事してるから。」
「はい。」
「じゃ私は色々挨拶してくるから。誰かに何か言われたらカイの付き添いですって言ってね。私の名前出してもいいから。何とか潜り込もうとする子もいるから、結構うるさいのよ。」
「はぁ…」
「じゃ、いい子にしててね。」