メガネ男子は俺様王子さま

………えっ?




一瞬フワリと目を細めて柔らかく笑った気がしました。が、しっかりとこちらを見た表情は口の端を引き上げたニヤリとしたものでした。



そのままこちらに歩いてきます。その歩き方もいつもと姿勢が違うのか、王様のままです。





「よう。さっきまでのブーたれた顔はどうした?終わるまでちゃんとそこにいろよ。みんなに迷惑かけるなよ。」


そう言って私の頬をムニッと両方引っ張りました。


「いひゃいれふ…。」



思わずその手をはずそうと腕の片方に手をかけましたが、触れたその生地の厚さにびっくりしました。



「え?冬の服?」

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