メガネ男子は俺様王子さま
「ほらな、暑ぃだろ?まぁ汗をかかないのは、職業上の慣れだな。気合いの賜物だぜ。」
「はぁそうですか…」
気合いで汗が止まるかよくわからないので、適当に返事をしておくことにします。
「おめぇ今のはかんっぜんに生返事だろ。悪い癖だぞ、適当にすまそうとするの。納得してないなら俺にはちゃんと言え!」
ドキッとしました。なぜそんなことまで知っているのでしょうか。悪いとは思いつつ、身についた習性でとりあえず頷いてしまうことが確かにあります。佐渡さん達にはあの勢いに負けて特についついやってしまいます。が、拓海さんは強引でも無理矢理意見を聞き出そうとすることがないのであまり生返事したことはない、と思いますけど。
びっくりして、ポカンとしているとまた
「わかったか!」
「いひゃいれふっれば…」
また両方の頬を引っ張られてしまいました。おたふくみたいになったらどうしてくれるんですか〜。
頬を取り返し、両手で撫でていると
「あら、楽しそう。ごめんねぇ、ちょっとお邪魔するわよ。」
安斎さんがやって来ました。楽しいのは引っ張ってる本人だけです。