メガネ男子は俺様王子さま
部屋に入ってからやっと下ろしてもらい、椅子に座りました。カイの今の服は濃いグレーの柔らかい生地で近くで見ると細い紫の線が入っています。私の服は合わせたように紫…。
それに気づくと何だか急に恥ずかしくなってきてしまい、カイの顔が見れません。
椅子に座ったきり動けずにうつむいていると、ドアを閉めたカイの足音が近づいてきてすぐ後ろで止まりました。
「そんな顔しちゃダメだ。誰にも見せたくなくなる…」
耳元で響く声が体の中を甘くかけ抜けていき…
「え、どんな顔…?」
対する私の声は息があがっているせいかかすれ、余計に恥ずかしさをましただけでした。
「ふふ…こんなに潤んだ目で泣きそうな顔…」
鏡の方に顔を向けさせられますが、ただでさえぼんやりとした視界に今は目の潤みも加わり…
「わからない…見えてないから…」
カイの手に逆らって、頭を振るのが精一杯です。
もうパンクしそうです。