メガネ男子は俺様王子さま

次々にほどかれる支度に、なんだか魔法がとけるシンデレラの気分がわかった気がしました。

ただ綺麗な姿でなくなり残念だったのではなく、冴えないいつもの姿を王子様に見せて幻滅されたくなかった気持ちが…。



灰かぶりのシンデレラは、ガラスの靴で魔法がとけても王子様に探してもらえました。



カイは今日のこの姿の私がかりそめの私だと知っていてくれます。

でも監視されているだけの私は…いつか側にいなくなった時に、カイに今日の一緒に写った写真で少しでも思い出してもらえるのでしょうか。




たくさんあるカイの写真の中のたった数枚では、シンデレラより確率が低い気がして、深く溜め息をつきました。



私は、このきれいな姿をカイに覚えていてほしいのでしょうか…?





それとも、拓海さんに?


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