メガネ男子は俺様王子さま
「俺の名前呼び捨てな?さんをつけたらペナルティー」
む、無理です…。
フルフルと頭を降って拒否を表してみましたが、
「ダ〜メ!お礼なんだから、俺の希望に添ってもらうから。ほら、呼んでみ。」
「た、たく、たく、み……」
何度も唾を飲み込んで、ようやく言えた名前…。今までいくらでも呼んでいたのに、たった後ろの「さん」を抜いただけでこんなに口にするのが恥ずかしいなんて…。
「もう一回!」
「たくみ?」
「声が小さい!」
「拓海!」
力を入れて呼んだ私に
「図書室では静かにしましょう」
私の口に人指し指をあてて笑っている拓海…あぁデ・ジャ・ビュ…と思っていると
指が離れて近づく顔…。