メガネ男子は俺様王子さま
あれから拓海さんは今まで以上に私を呼び出すようになりました。やっとカイのことを色々きちんと教えてもらおうと思っても、佐渡さんとゆっくり話すことも出来ません。
そんなこんなで日は過ぎて金曜の放課後、仕事があると拓海さんは慌ただしく帰ってしまい、私はひとりで校門を出ると
「美羽ちゃん、よかったぁ。なかなか出てこないから帰っちゃったかと思っちゃった。」
「安斎さん!」
ニコニコと相変わらずの力強さで私の腕をつかむと、駅の方に歩き始めました。
「…え?カイならもう…」
「しっ!その名前簡単に言っちゃダメでしょ?いいの。今日は美羽ちゃんに用があって来たんだから。」
え?私…?