メガネ男子は俺様王子さま

撮影は意外にサクサク進みました。歩いたり座ったりターンしたり注文は単純なものが多く、カイとの時のように動き続ける必要もなくて助かりました。



3回着替えて撮影したところで、カメラマンと責任者の人がなにやら話し始め、一時中断となりました。私は訳がわかりません。何かいけなかったのではないかと不安になりました。が、


「あれとこれも撮っておこう。」



ポカンとしている私を置き去りにして、どんどん支度は進められていきます。こころなしかメイクさんも力が入っているような…




「…えっと、あの?」


「やっぱりふんわりにして正解だったわ。ちょっとそこらにいない不思議な雰囲気だったもの。触れたら消えちゃいそうな感じ。あなたラッキーね。カメラマンと雑誌の人に気に入られたのよ!」




いや、もう結構なんですが…。


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