隣のキミと
「玲央っ、どうした、体調悪いのか?」
キャプテンがオレのほうに駆け寄る。
「大丈夫っす」
「なんか、今日の玲央練習に集中してないんじゃないのか」
キャプテンがいらつきを感じさせている。
「そんなことないっす、ちゃんと、集中してます」
やっぱり、キャプテンにはばれている。
ちゃんと、集中しなくちゃ
「ちょっと、おまえ休憩するか」
は?
なんで、オレだけ?
「大丈夫っすよ」
「おまえが大丈夫でも、こっちが迷惑なんだよ、最後の合宿なんだから、少し頭冷やしてこい」
周りから見ても、集中してないのは、明らかだったらしい。
それほど、焦ってるってことか。
オレは、考え事を追い払うように頭から水を被った。