隣のキミと

「優芽、震えてただろ、だから止めた」


「……………」



嘘…………



それで、止めたの……?




「だから、リレーで優勝したら、オレのカノジョになって………?」


いつもと違って、弱々しい話し方。



「………うん」


こくりと頷いた。



恥ずかしくて、地面を見つめる。



上を向いたら、あたしの顔が見られてしまうから……



「オレのカノジョになれるなんて、ありがたく思えよ」


いつもの玲央に戻り、思わず顔を上げた。


「な、何それっ。
優勝するなんて、限らないしっ」


やっぱり、あたしは

意地悪を言う玲央だから、好き。


他の人が聞いたら、おかしいって思われるかもしれないけど


こんな彼だから好き。


< 221 / 266 >

この作品をシェア

pagetop