隣のキミと

「ち、ちが………」


「じゃあ、千穂も心配してるし、はやく戻れよ」



あたしの言葉を遮り、早口に言い終えると、後ろを振り向いて、戻ろうと歩き出した玲央。



あ…………


行っちゃう………



言わなくちゃ



言わないと、誤解されたままだ。



「ま、待って……っ」



あたしが呼び止めると、振り向いてくれる玲央。



「ち、違うのっ。
玲央と付き合うのが嫌じゃないの、むしろその逆で………」


何言ってるの……、あたし


自分でも、なにを言ってるのか分からなかったけど、玲央を引き止めようと、必死になって、喋った。


そうでもしないと、また玲央は離れてく……


そう感じたから。


< 228 / 266 >

この作品をシェア

pagetop