隣のキミと

もうっ


玲央のばかっ!



ここで、あたしが“うん”って、素直に言えば、玲央はきっとみんなに言ってくれると思う。




だけど、あたしは可愛くないから、言えない。



そんな、可愛く玲央の前で言えたら、苦労しないよっ



そんなあたしに玲央は、「可愛くねぇな」のひとこと。



分かってる。



今、頭の中で考えてたもん



あたしは、可愛くないヤツだって。



まるで、昨日の甘いキスが嘘のよう。



玲央にそんなことを言われたら、言い返してしまうのがあたしだから。



「べ、別に、玲央に可愛いなんて、思われたくないしっ」



あたしは、席を立って、千穂の元に向かった。



だけど、その隣は玲央の席なわけだから、また着いてくるわけだ。


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