隣のキミと

“かっ、かっ”


足音が聞こえてくる。


やだ、おばけ?


こっちに、来ないでよ…


“かっ、かっ”


その音がだんだんと大きくなっていき、こっちに近付いてくるのが分かる。


足が震えて、立ち上がれない。


“────”


耳を澄ますと、誰かの話声が聞こえる。



「あれ、誰かここにいねー?」


「あ、ホントだ。暗くてよく見えねーけどさ、女じゃね?」


こ、怖い。


でも、早くここから動かなくちゃ。


あたしは、ゆっくり立ち上がり、早く出口に向かおうとした。


でも、それがいけなかった。

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