隣のキミと

遊園地の人に、観覧車を開けてもらって、あたしたちは乗り込む。


あたしと玲央は向かい合って座った。


どんどん高く昇っていく観覧車。


あたしたちは、沈黙が続いた。


よく、考えてみれば、観覧車って、二人っきりってことだった。


あたしは、緊張を隠すように、景色を眺める。



「わぁ、もうこんな高く昇ったんだ〜」



あたしが一人で騒いでいると、玲央があたしの隣に移動してきた。


「ど、どうしたのっ。玲央」


あたし、言葉がつっかえる。


緊張してるの、バレバレ。


「一人ではしゃいでるね可哀相だなって思ってこっちに来た」


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