レンタル彼氏

彼の過去




ファミレスにしては
まだピーク時じゃないせいか
あまり騒がしさが目立たなかった。




向かい合って座り、
拓也くんは店員さんにドリンクバーと
ポテトを注文した。



「ごめん、腹減ってんの。軽く食わせて。」




『…うん。』




拓也くんはコーヒーを何口か飲んだあとに

静かに話し始めた。




「俺と慎吾は、お互い唯一中学から一緒のダチだから…そういうお互いの大事なことって
絶対誰にも言うなって約束しなくても言わない約束になっててさ。

だから、俺
佳乃ちゃんには自分から話すつもりはなかったんだけど…

言わなきゃ、このまま佳乃ちゃん誤解したままだから…………」





誤解…?


私が、慎吾のなにを誤解してるの?






.
< 104 / 123 >

この作品をシェア

pagetop