レンタル彼氏



「うん、似てるよな。

そう、その香織先生がさ…親父さんが再婚したことで複雑な思いを抱えてる慎吾の様子にすぐに気づいたんだ。

今まで慎吾を見てきたクラスメートのやつらすら、俺以外なにも知らないし慎吾の変化に気づきもしなかったのに。

何度か、俺が居る前で二人が会話したこともあったんだけど…
慎吾、今までにないくらい安心しきった顔で香織先生と話しててさ…

たぶん、
なにがキッカケなのか詳しくは知らないけど
慎吾が初めて自分を作らなくてもいいと思えた女性なんだったんじゃないかな?


あいつ、香織先生に会ってからもっと明るくなって…なんか、余計かっこよくなって、イキイキしてた。」





慎吾が

きっと

初めて本気で好きになった女性…


あの人だったんだね。





私は拓也くんの話す内容に、続きを聞きたい焦りと

少しずつ知らない慎吾を知っていくショックで

いっぱいだった。





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