レンタル彼氏
「あ、おかえり。」
久しぶりにちゃんと見た慎吾の顔。
髪が少し伸びて
ゆるいパーマが余計にオシャレに見える。
私の足音に気づき
すぐに顔をあげた慎吾。
「バイトだったの?」
『うん…』
パーカーのポケットに手を入れて
慎吾は静かに言う。
「ごめん、どうしてももう一度ちゃんと話したくて。
自分の部屋で待ってようかと思ってたんだけど…
寝ちゃいそうだったから。
そしたら佳乃が帰ってきた音に気づかねーじゃん?」
慎吾…………
『私も……………
話したいことがあるの。』
慎吾は自分の部屋のドアを開けた。
「んまぁ…入りなよ。」
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