レンタル彼氏
危険な契約
―――
「ごめん…もう大丈夫。」
さっきよりすっきりした顔で若草くんは洗面所から出てきた。
『ああ…大丈夫?
はい、水。』
私は勝手に水を入れたグラスを差し出した。
「さんきゅ。」
彼はそれを一口、また一口飲み
ソファに腰掛けた。
それにしても
散らかってるなぁ……
間取りは隣の私の部屋と変わんないのに
ずいぶん狭く感じる。
男の子ってこんなもん?
『じゃあ……私……部屋戻るね。』
そう言って帰ろうとすると
若草くんに腕をつかまれた。
「もうちょっと……いろよ……」
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