レンタル彼氏



その後、ずっと一緒に寄り添ってテレビを観てると

そのうち若草くんは寝ちゃって。




体を引き寄せられたままだったから動けない私も


緊張のせいなのか何なのか

疲れて寝てしまった。






「ん………おはよ。」



『おはよ。』




若草くんの寝顔も

寝起きも



可愛い。






「佳乃………」





若草くんは
私を抱き寄せてまだ半分夢の中。





『早く準備しないと、遅刻しちゃうよ。
私、お風呂も入んなきゃ汚いし。』





「……んー……もうちょっとこのまま…」








どうしてかなぁ?



私も思ってる。

もうちょっとこのままがいい。




本気になったらダメなのに、


本気になっちゃいそうだよ。






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