レンタル彼氏
『おいしー!』
二人ベッドに座ったまま、お弁当を食べた。
「良かった、元気そうで。」
やっぱり男の人って
食べ方も豪快で、早いなあ。
『若草くんのおかげだよ。
ごめんね、本当にいろいろ…』
私の言葉の途中で、
若草くんは食べ終えた弁当の容器を机に置いて、
私の頭を撫でた。
「なあ、俺たち
この関係続けるんだし
もう‘若草くん’はやめない?
慎吾って、呼んで。」
『え、でも…』
「いいから、呼んでみ?」
私は食事の手をとめ、
若草くんの目を見た。
頭を撫でていた彼氏の手が
首の後ろにあって
くすぐったい。
『…………慎吾。』
「もう一回。」
『……慎吾。』
「……もっと…呼んで』
『……慎っ…!!』
若草くん
じゃなくて、
慎吾は
私に少し強引なキスをした。
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