レンタル彼氏


手を繋ぎ、ゆっくりと
マンションへの帰り道を歩いた。



「あ、月すげー。」






『ほんとだ!』




夜空にはまん丸の月が輝いていた。







なんか、不思議。

普通のカップルだと、
ここで別れ惜しくなってバイバイだけど

私たちは同じマンションだし

下宿だし



結婚してるわけでも、本格的に同棲してるわけでもない。




ある意味
こうして一緒にいられるのはラッキーなんだろうな。









「佳乃、今日も俺の部屋で寝たら?」



マンションに着くと、
慎吾はちょっと寂しそうな顔で私にそう言った。




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