レンタル彼氏
「慎吾と?」
拓也くんは手に取った
日本のグルメ旅という雑誌をパラパラとめくる。
『へ…?』
「それ。」
拓也くんは私が持っていた旅行雑誌に視線を差した。
『あー…うん。』
「そっか〜じゃあ…順調みたいだね。」
『まあ…お互いバイトばっかりで夏休みどこにも行ってないんだけどね。』
「だから行くんでしょ?温泉と夜景。」
ニヤニヤする拓也くんに私は恥ずかしくなって、雑誌を閉じた。
『拓也くんは、夏休みどこにも行かないの?』
まだ1ヶ月近くある夏休み。
大学生って本当に時間があるから、
使うなら今のうち。
「俺は海とかならダチと行ったけど、旅行はないかなあ。」
『そう…なの?
彼女とか………いないの?』
「最近、振られちゃいましたの。」
え………
ええー!
こんなイケメン
ふる人がいるの!?
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