レンタル彼氏

不安と危機




―――

「う〜ん、それにしてもその拓也って人…なんだかんだ若草くんと佳乃の間をひっかき回してるよね。」



午後2時

少し遅めのランチタイム



久しぶりに杏と
大学付近にある一度来てみたかった定食屋にきていた。




『そ…そう?』



「うん。若草くんのこと、何でも知ってるみたいに話すのに肝心なとこは謎なままだし。
厄介だね。」


私が金欠で行けなかったサークルの自由合宿に参加した杏は

夏らしく日焼けしていた。





『だよね〜…』




拓也くんって、明るいしすごくいい人なんだけど…


なんか硬派な見た目をバッサリ裏切るとこがあるっていうか…




拓也くんの発言に助けられても振り回されてもいるんだよね。






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