レンタル彼氏



マンションの前で困ったように誰かを待ってる彼女は

すごい綺麗な顔立ちで…






どこかで見たことあるような気がした。




「…あ!」



私の存在に気づき駆け寄ってくる。


「ここのマンションの人ですか?」



『あぁ、まあ…はい。』



「ここの若草慎吾って人に忘れ物届けに来たんですけど…
留守みたいで、しかもオートロックだから開けてくんなきゃ中入れないし…」



『慎吾に…』


「あ、もしかして知り合いですか!?」



人形のような顔立ちの彼女は
パッと明るく目を輝かせた。



『あー…はい、慎吾は隣の部屋で…』



「あっじゃあ、これ!
渡しといてもらえません?
玄関の扉の取っ手にかけといてもらうだけでもいいんでって言いたいとこなんですけど…財布なんです。」




渡された袋の中には

慎吾の

財布だった。




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