裏切りそして塀の中。
朝、学校へ行くとみんなが教室で騒いでいた。

『東京からげな。』
『男?女?』
『俺さっき後ろ姿見たら赤いランドセルやったばい。』
『東京って言葉わからんっちゃない。』
『どんな子なんやろ〜』

この日朝はこの話題で持ちきりだった。

みんなの話を聞いて転校生が来たんだとすぐに理解できた。
時期外れの転校生だった。

『はいじゃ席について。今日は転校生がいます。』

『東京から来ました。かずみです。よろしくお願いします。』
東京から来たかずみは意外にもおとなしそうな人だった。

私にはもっと元気な都会っ子のイメージがあった。

《仲良くなれそう。ってか仲良くなりたいな。》

2、3日もするとクラスのみんなと普通に仲良くなっていた。もちろん私も、よく話したりしてた。

そんなある日、引っ越しをすると言い出した。なんと、私の家から五分もかからないとこに越してくるらしい。

引っ越してくる前から、一緒に帰る約束やら遊ぶ約束をしてた。私は本当に嬉しかった。
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