裏切りそして塀の中。
『4か月に入っとるけど、どげんする?おろすのはうちの病院じゃされんけん、おろす時は他の病院に行ってね。』

病院にまでも見放された私はどうすればいいのかわからなくなって生きてる感じがしなかった。

その日はそのまま帰って母親にまた話した。

『4か月って。』

『んで?』

『あそこおろすなら他の病院に行けって。』

『なんそれ?で他の病院探したと?』

『まだ…。』

『あんたなんばしよっと?もっとしっかりせんね!赤ちゃんは今も成長しよっとよ!』

母親の言葉には優しさと重みがあった。

そのとおりだった。

なにも言い返せなくて、部屋で独りただ泣くしかできなかった。

なんで私はこんなに弱いんやろう。
素直に親の前で泣ければ…
素直に親に助けを求められれば…
素直に親の言うこと聞いてれば…


こんな事にはならなかったのに…‥。

次の日私は全財産の4万を持って産科を回った。

『うちじゃあ無理やねぇ。』
『4か月入っとるやんねぇ。他行ってよぉ。』
『4か月…4か月入っとると刑法が関係してくるけんね。』

なんの為の医者?
なんの為の産婦人科医?
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