裏切りそして塀の中。
『これを市役所に出さんといかんとたい。普通の中絶はこれはいらんけど、あなたの場合は違うけんね。これからあなたに出来ることはこれを出すこととちゃんと供養ばしてやる事やけんね。もうこげなん事二度とせんように。次産婦人科の病院に来るときは子供を産むときだけにしなさい。二度目は僕は協力せんからね。』

と言って部屋から出て行った。

私はこの先生に救われた。
この先生がいなかったら今の私は居ない。
居たとしても今みたいな生活はできてないかもしれない。

それから3日間入院して、母親は一回しか面会に来なかった。

悲しくもないのにふときずくと涙が出てて、分娩室での事が鮮明によみがえる。

退院して部屋の北側にらいあの場所を作った。

写真たてをおいて、前にビスケットやヤクルトをおいた。
そして午前10時10分にはかならずお参りをした。

毎日。

おかしも2日に一回のペースで替えて、らいあに話しかけたこともあった。

相変わらずシンナーは止められず毎日しては、

《本当に後悔したの?》

と自問自答を繰り返してた。

いつまでたっても答えはでなかった。



月日が経って、久々に彼氏ができた。
< 106 / 134 >

この作品をシェア

pagetop