裏切りそして塀の中。
電話の向こうから女の声が聞こえた。

私はなにも聞けなかった。
ウザがられたくなかった。

『ちょっと後輩から呼ばれたけん行ってくる。』

『いつ帰ってくる?』

『わからん。朝方ぐらいやない?』

『わかった。待っとっていい?』

『いいよ。すぐ帰ってくるたい。』

朝には帰ってこないだろうとわかってたけど、もしかしたらって気持ちがあった。

結局朝になっても帰ってこなかった。

なので家に帰った。
その日からたつやと連絡取れなくなった。

また1ヶ月もたないで終わってしまった。

それからも彼氏ができても1ヶ月ともたなかった。

そんな事しているうちにはじめの出所の日が決まった。

向こうの親とかとみんなで食事する事になった。

居酒屋に行くともうすでに来ていた。

久しぶりにみるはじめは、太っていて、別人みたいになっていた。

気まずい雰囲気の中食事会が始まった。

はじめの親は、私とはじめが元サヤに戻るのを望んでいた。
うちの親は反対だった。

私も戻る気は全くなかった。

言葉を交わさないまま一時間、二時間と過ぎていった。

するとはじめの親が2人で話しておいでと言って無理矢理2人にさせられた。

2人になったのにはじめは話そうとはしなかったので、私から話した。

『ハッキリゆうけど、私待ってなかったけん。』

『うん。』

『待とうとは思いよったよ、最初は。でもあんたがした事が納得いかんかったけん待たんで、彼氏作りよった。』

『…。』

『なんの事かわかっとる?』

『わからん。』
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