裏切りそして塀の中。
『まぁ、座れば?』

とは言われたものの、二人掛けの椅子にはそれぞれ一人ずつ座っていて、どこに座っても誰かの隣になる。

どこに座れば良いのかわからず立ってたら、

『座らんと?いいなって思う人のとこに座らんね。』

と言ったので、その中でクールでかっこいい男の人の隣に座った。

『やっぱゆうきのとこか。この中で一番モテるよね〜。』

私は"ゆうき"という人の隣に座ったのだ。

その部屋の中にはゆうきと、ゆうきの弟の"とおる"、ゆうきの友達の"りょういちさん"、とおるの友達の"しんご"ともう一人いた。

みんなかっこよかったけど、私はゆうきが一番タイプだった。

この頃はまだ面食いで、かっこいいか、かわいいかで選んでいた。

その時ゆうきとは番号を教えてもらう以外に会話はなかった。
それでも私は楽しかったし、また遊びたいと密かに思ってた。
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