裏切りそして塀の中。
シンナーしてしかもダッシュしてたので心臓はすごい速さで脈を打っていた。

だんだんと足音が近ずいてくるのがわかった。

2人の男が私の前に立った。

『なんでにぐっとか?なんしよったとか。』

男も息が切れていた。

『いや、なんも。』

声が震えてるのが自分でもわかった。

震える口を隠した。
その手さえも震えていた。

『なんもちなかろうもん。下におりるけん一緒にこい。』

両側から腕を掴まれ、逃げる勇気も走る自信もなくゆわれるままに下におりた。

原付のところまで行き、

『これ誰んとか?』

と聞かれた。

『知らんばい。』

ってゆったけど、それで納得して帰る奴らではない。

車を見ると覆面だった。

シンナーをしてたせいもあって、後ろなんか気にせずに帰っていた。しかもノーヘルで走れば警察が見逃すはずもない。

『知らんてあんたさっき乗って帰ってきよったやん。』

『じゃあ知り合いの。』

『じゃあっちなんかやん。盗ったとやろ?正直にゆえて』

『盗ったばい。』

『やろうが。早よゆえば早よおわっとやけん嘘とかつかんでよかったい。』
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