裏切りそして塀の中。
部屋に入るなり、

『たかひろ、南条と出ていって。』

『こうきごめんって。』

『いや、とにかく出ていけ。』

そして二階に上がった。

『とのも今すぐ出ていって。今からやぎらぁは俺と付き合うけん、あんたらがおると迷惑なんよね。邪魔されたくないけん。』

『わかった。』

とのは何も言い返さずに出て行った。

えりこ先輩は一度も私と目を合わさずに帰った。

そして私はこうきと付き合い始めた。

強引な付き合い方かもしれないけど、心の穴を埋めてくれたのは事実で、こうきの優しさが嬉しくて迷いはなかった。

ひとりになりたくなかった。

それから私はこうきの家に住み始めた。

2人でいる事だけが幸せで毎日起きてる間中シンナーして、寝る前にはエッチして、もう誰にも邪魔されたくなくて家から絶対出なかった。

そんな甘い日々もまた長くは続かなかった。

一週間したらこうきの"おじさ ん"が毎日入り浸るようになった。

40過ぎてるのに私らと一緒にシンナーしてボジけて意味不明な事を言ってきたり、だんだんおじさんに不信感を抱きだした。
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