裏切りそして塀の中。
私は昔から酔っ払いとおじさんにはよく絡まれやすかった。

ある日こうきが仕事に行って家にはおじさんと私の2人しかいなかった日。

『やぎらぁ、怖いけん一緒に下におって。』
とか
『一緒にお風呂入ろう。』
とか言い出した。

こうきに電話した。

『何時に仕事終わる?早く帰ってきて。』

『なんかあったと?どうしたと?』

『あんね…。いや、別に…。』

さすがに言えなかった。
おじさんが怖かったけど、こうきはおじさんを慕ってたし、家族だったから…。

でもそれが何日も続くと我慢できなくて、遠回しにこうきに言うようになった。

『こうき、家におって。なんかなんでか知らんけど、1人じゃ怖い。』

『いやぁでも仕事せんなら生活できんし。すぐ帰ってきよるやろ?』

『うん…。』

おじさんは日に日に私が嫌がってる事に気ずき始めた。

こうきの前ではいいおじさん。
こうきが仕事に行けば私にこうきの悪口を言ってきた。

ある日私は恐怖心を消すためにこうきが仕事に行ってすぐシンナーをし始めた。

下からドタバタと音をたてながらおじさんが上がってきた。

『やぎらぁきつねが…きつねが…助けて!』
< 97 / 134 >

この作品をシェア

pagetop