近恋(チカコイ)
メグミは居酒屋のメニューを見てジントニックと俺の分のカシスオレンジを注文して、その後こう言った。
「へーちゃんと喋れるじゃないのよ、驚いたわ。でもその2割に自分がいると思うのは、なんだかそれって悲しくない?」
「別に。」
「だって自分で気づいてる訳じゃない。その2割にいるって事は自分は普通ではないって事じゃないの?」
「それは違う。俺から見ればメグミも十分2割に当てはまる存在だよ。フットサルを自分からする女だなんて十分変わってるさ。普通は彼氏とかのきっかけで始めるものだろう。」
「あら、それについては普通よ。高校時代好きな先輩がサッカー好きで、始めたんだから。でも自分で2割とは普通じゃないと考えないわよ。自分こそが普通でありまともと思うわ。まるで貴方は自分から変人だと言わんとしているみたいよ。」