an alley cat
「かっ!華夜!」

「えぇぇぇぇぇ!?ちょ・・・それ本当!?初めて聞いたけど!」

「い、今初めて言ったからな」

「でもって・・・りゅ・・・ぇええええええ!?」


―か、華夜ちゃん・・・・近所迷惑なんじゃ・・・?


「おーい・・・うっせぇぞ~」

「近所迷惑!」


華夜ちゃんの声に耳を塞ぎ、目を細めてこっちを見ている冬真くんと龍斗くん。



「ぁ・・・ごめん、何でもないよ!?」

華夜ちゃんはぺろっと舌を出しておどけては見せたが、先を行く2人には不審に思われてるみたい。


「はぁ~?華夜って時々意味分かんねぇ奴だよな」

「あぁ」


そう言って、2人はやれやれ、とため息をついた。




「ほら見ろ、怒られた」


安奈ちゃんがぼそりと言うと、華夜ちゃんはぷくっと頬を膨らました。


「すいませんでしたねぇ」

安奈ちゃんをじろりと睨んだまま口を尖らせる華夜ちゃんが、可愛くて、笑っていた私。


「あっ、のの笑ったな~!?」

「ごっごめん!」

「ま、い~けどののなら許す~」

「“ののなら”とは何で!私は!?」


安奈ちゃんが必死になって華夜ちゃんに食らいつく。



「嘘だよ!それより、龍だったのか~安奈のす・き・な・人♪」

「ふっ、ふざけるなっ!」

「ごめんって!」

「待てっ!」


言い争いが始まった、と思いきや、今度は鬼ごっこが始まっていた。




「ターッチ!」

「えっ?」

「のの鬼ぃ~冬真と龍も逃げろっ!」

そう言って笑いながら走って行く4人。






「ま、待って」








慌てて追いかけたものの、角を曲がった時には誰もいなかった。








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