あの白に届くまで
「アイスティー1つと…大地くん、何にする?」
「俺は、アイスコーヒーで」
注文を終えて店員が去った後、向かい側に座る柚先輩と顔を見合わせた。
こうして改めて向き直ると、微妙に緊張する。
柚先輩のあどけなさの残る顔は、それでも以前に比べてだいぶ大人になっていた。
…そりゃそうだ。
華の女子大生だもんな。
しかも超名門大学の、外国語学部。
自分を見つめるその視線に気付いたのか、柚先輩が少しくすぐったそうに「何?」と笑った。
「いや。先輩、ますます美人になったなーと思って」
「な、何言ってんの!」
「ははっ」
自然と笑い合っていた。
柚先輩と話していると
その言葉ひとつ
仕草ひとつが全部懐かしくて
全部が思い出を放っている。
「……楽しかったな」